研究課題
基盤研究(C)
本研究では、グラフの辺に色が塗られた辺着色グラフ上の分割問題について研究を推進した。Gを辺着色グラフとする。グラフの各頂点に接続する辺における異なる色の数をその点における色次数と呼び、各点の色次数の最小値をGの最小色次数と呼ぶ。本研究課題では、Gの頂点集合を二つのパートA,Bに分割し、それぞれの頂点部分集合が誘導する辺着色部分グラフが指定した最小色次数を実現するための色次数の条件に関する未解決問題について考察し、一定の研究成果をあげることが出来た。
組合せ論、特にグラフ理論
グラフの頂点集合を二つの部分集合に分割し、各パートで誘導されるグラフがある条件を満たすようにするといったグラフの分割問題は重要であり、様々な関連問題に関する研究が国内外で盛んに進められている。本研究はこのようなグラフの分割問題を辺着色グラフ上で考察し、構造的グラフ理論の研究で有用な補題となり得るいくつかの定理を証明することに成功した。グラフ理論の問題は頂点数に関する帰納法で解かれることが多いため、当該分野の研究は重要であり、得られた研究成果は離散数学の様々な場面で応用が期待できると思われる。