本研究の学術的意義は,平面上の1つの円における複数の弦の配置、という古代より人類が親しんできた対象について新たな知見を付け加えたことである.この弦の配置について交差の展開操作を繰り返して施すことにより結果的にそれぞれの配置が交差を含まない配置にまで還元される.それに関連する数え上げ問題において、他の重要な組み合わせ的な構造、交代置換、増大木、および0-1ヤング図形など、と密接な関連があることが明らかになった.今後の方向としては、単に数え上げ問題だけでなく弦の配置の構造と他の組合せ構造との間の1対1対応を示すことができれば、さらに弦の配置の研究の重要性を補強することになると思われる.
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