研究課題
基盤研究(C)
細胞動態を計算可能なVertex Dynamics Model(VDM)における,いくつかの問題を数学的に調査・解決するための研究である.汎関数の最小化問題では,引数がベクトル関数となるような計算方法に関して予めいくつか公式を作成しておき,その公式群を利用することで,VDMの汎関数を簡便に求める方法を考案した.本計算結果に基づいたVDMの大規模な数値計算を行い,計算の実用性,高速性を実証した論文がCurrent Biology(2022)に出版された.
応用数学
本研究により,VDMを用いた研究のさらなる展開が期待される.また,今回のプロジェクトでは,研究成果は論文だけでなく,ソフトウェアという形でも公開している.これらの成果を次世代の研究者が用いることで,今後の理論と実験の発展へと繋がることも期待される.細胞を最小単位として扱うことができるような,器官や組織の形成に対して,形をシミュレーションすることで,形態形成の本質を探ることができるだけなく,その形成不全からくる病的状態の研究にも使用することができるものと考えられる.