量子ウォークの量子性から誘導される背後にあるグラフの組合せ構造の抽出をその挙動から抽出した。そのためにまずその共鳴性を利用して定常状態に収束する量子ウォークの数理モデルを構築することに成功した。そして、その定常状態を特徴付けるにあたり、グラフのスペクトルを求める解析的な手法を経由して、量子ウォークが満たす回路方程式を導出した。この回路方程式は、通常のグラフのラプラシアンで記述される電気回路の回路方程式を拡張したものになっている。このことにより量子性によって誘導される幾つかの全域部分グラフの族を与え、その族に含まれる全域部分グラフの数え上げにより、定常状態が与えられることを証明した。
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