研究課題/領域番号 |
19K03622
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研究機関 | 福岡教育大学 |
研究代表者 |
中田 寿夫 福岡教育大学, 教育学部, 教授 (10304693)
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研究期間 (年度) |
2019-04-01 – 2024-03-31
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キーワード | 超重裾分布 / 超ペテルスブルグゲーム / 対数パレート分布 |
研究実績の概要 |
重い裾をもつ確率分布のうち、裾確率が緩変動関数で特徴づけられる分布を主に調べた。D. ベルヌイ(1738)によって古典的に知られているペテルスブルグのゲームの分布に対して、経済学者のサミュエルソン(1977)がペテルスブルグのゲームの対数効用関数に対する議論を「超ペテルスブルグパラドックス(super-Petersburg paradox)」という呼称で行っているが、その分布の性質は多くは調べられていない様子なので調査してみた。超ペテルスブルグ分布の裾確率は緩変動を用いて特徴づけることができる。緩変動関数は指数0の正則変動となっていることから、Falk (2011) の教科書(第3版)において「超重裾(super-heavy tailed)分布」と言われているため、分布族としてその言葉を取り入れている。
超重裾分布は普通に扱うと裾確率が重すぎるために相対安定の意味での大数の法則は不成立であることが知られている。さらには、分布収束についても正則変動の指数が0であるために、通常の正規化では中心極限定理の一般化である安定分布への収束も望めない。過去にはDarling (1952) が通常の正規化でない方法で非退化の分布収束を示しているが、本研究は異なる方法を用いた。つまり、切断確率変数を考え、切断のレベルと極限定理の成立条件についての研究を行った。これは中田(2015)で行った冪法則での分布についての研究の超重裾分布版の研究と言える。実際に、超重裾分布族を扱いやすい部分分布族に制限して、大数の強法則の成立のための十分条件と中心極限定理のための必要十分条件をえた。これを利用して、対数パレート分布と超ペテルスブルグ分布について、それぞれ極限定理が成立するような具体的なパラメータを与えた。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
超重裾分布についてのいくつかの結果がえられたため。
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今後の研究の推進方策 |
前年度からの課題である重裾分布についての畳み込みの性質を詳しく調べたい。さらに、最大値の分布についても考えていく予定である。
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次年度使用額が生じた理由 |
2019年度は国内の研究者に研究打ち合わせをするために国内旅費に多く予算を計上していた。ところが、勤務先の業務の関係上の理由で出張ができなかったり、コロナウィルスの関係上、3月の出張を全て中止したりして満足に打ち合わせができなかったことが理由に挙げられる。
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