研究課題/領域番号 |
19K03627
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研究機関 | 独立行政法人国立病院機構(名古屋医療センター臨床研究センター) |
研究代表者 |
嘉田 晃子 独立行政法人国立病院機構(名古屋医療センター臨床研究センター), その他部局等, 室長 (70399608)
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研究分担者 |
橋本 大哉 名古屋市立大学, 医薬学総合研究院(医学), 准教授 (50775715)
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研究期間 (年度) |
2019-04-01 – 2023-03-31
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キーワード | 対象集団 / 疾患登録 / 外部対照 / 一般化 |
研究実績の概要 |
本研究の目的は、疾患登録が存在する状況において、集団類似性を利用し治療効果を広い集団に一般化する方法を開発することである。特に単群試験や小規模な比較試験の場合に疾患登録を利用することを想定している。1)希少難治性てんかん疾患登録を利用する限局性皮質異形成II型の薬剤介入試験、2)再発又は難治性の小児急性リンパ性白血病の2つの事例において、介入試験の対象集団と疾患登録の対象集団の類似性を確認したところ、集団間の違いが大きく、対象者数が限られている場合の課題が抽出された。集団間の違いを傾向スコアに基づく一般化の指標で評価し、最終的な治療効果の推定においても傾向スコアを用いた解析方法を用いた場合は、集団間の違いの評価と治療効果の推定の方法間の対応がとられている。そのため、傾向スコアに基づく一般化の指標の挙動を中心に数値シミュレーションで検討した。シミュレーションにおける各変数の設定条件は、事例1)の変数間の関係に近い状況を想定し、サンプルサイズを変化させた。サンプルサイズにより異なる様子を示したが、別の状況においても確認が必要である。単群試験の外部対照として疾患登録を用いる状況において、治療効果が推定可能となる場合の潜在反応モデルの前提条件の確認を行った。 また、単群試験のアウトカムが生存時間である状況において、サンプルサイズが小さい場合の制限付き平均生存時間(RMST)の信頼区間について検討した。複数の変数変換を行った場合の性能評価を行い、特徴を把握した論文が出版された。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
3: やや遅れている
理由
一般化の指標と治療効果の推定のシミュレーションにおいて、条件を変更した場合の確認が必要であるため。
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今後の研究の推進方策 |
シミュレーションの追加確認を行う。介入試験が単群試験の場合と比較試験の場合を別けて潜在反応モデルの前提条件、条件の緩和を評価し、場合分けした一般化の方法としてまとめる。RMSTの信頼区間についてはその普及に努める。
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次年度使用額が生じた理由 |
シミュレーションの追加確認が必要となっため。次年度は成果のまとめと発表に使用する計画である。
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