研究課題/領域番号 |
19K03631
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研究機関 | 東京海洋大学 |
研究代表者 |
関口 良行 東京海洋大学, 学術研究院, 准教授 (50434890)
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研究期間 (年度) |
2019-04-01 – 2023-03-31
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キーワード | 最適化理論 / 半正定値計画問題 / 凸代数幾何 / 射影幾何 |
研究実績の概要 |
令和元年度は,University of Bern で開催された SIAM Algebraic Geometry に参加し,情報収集を行った.また,はこだて未来大学で開催された NACA-ICOTA 2019 と政策大学院大学で開催されたWorkshop “Recent Development in Optimization III” において,成果発表と情報収集を行った. 昨年度に引き続き,Singular SDP の研究を進めた.SDP の特異挙動をコントロールした具体例を複数構成することに成功した.それらの具体例を解析することで,最適値が不連続に変化する様子に説明を与えた.ここでは,斉次化した KKT 条件を Fubini-Study metric を持つ射影空間上のシステムと見なしたとき,無限遠解の挙動を考えることが鍵となる.さらに無限遠の挙動に注目することで,最適値の連続性に関する定理に別証明を与えた.SDP の KKT 条件を射影空間上のシステムとして見なすことで,KKT 条件からより詳細な情報を得ることができることを示したことは意義深い. SDP の KKT 条件は,係数行列の張る 2 種類ベクトル空間の成す旗と,行列式多様体の部分多様体とのある種の交叉として書くことができる.最適化問題の代数次数に関する研究において,旗多様体の持つ既約な射影代数多様体としての性質を活用することで,射影空間の直積上の交叉に関する議論の見通しを良くすることに成功した.同様の手法の他の最適化問題への応用も期待される.
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
Singular SDP の特異挙動をコントロールした例の構成と,射影幾何の KKT 条件の解析への応用が成功した.また,旗多様体と射影空間の直積,交叉の横断性に関する理解が深まったため.
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今後の研究の推進方策 |
令和元年度に引き続き,SDP の Nondegeneracy に関する代数幾何的な研究を行う.また最適化問題の代数次数の研究を行う.
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次年度使用額が生じた理由 |
高性能ディスクトップの購入を計画したが,予算が足りなかったため使用せずに次年度に繰り越した.
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