研究実績の概要 |
本年度の実績は以下の通りである:1) switching systemは生命科学で扱われる生体分子の制御ネットワーク結合系を区分線形な常備分方程式とその連続系への摂動として捉え、数学的な性質を抽出したものである。研究代表者たちは、今までの科研費研究で研究し、かなり広範囲のものに適用できるようになった。この定式化は、少しずつ進化しており、コロナ禍の始まったこの2年で、Rutgers University の共同研究者により、計算方法がかなり改良され、定式化がこのためにかなり変化しより改良されつつある。 2) 昨年度発表した論文の結果を数学会で発表した。内容は、定常解の存在と安定性について、特に十分傾きがスティープな非線形性を持つシグモイダル関数で表される連続系はswitching systemと1対1に対応することを示した(Duncan, Gedeon, Kokubu, Mischaikow, Oka)。この論文では、アイデアとしてDSGRN (dynamic signatures generated by regulatory networks)を提案しており、これにより switching systemの有限個のデータの組み合わせから、我々の共同研究者たちの開発したコンピュータソフトを用いて、witching systemからの連続な摂動系に対して厳密な結果(定常解の存在と安定性)を得ることができる。この論文の定式化は(Gedeon, Harker, Kokubu, Mischaikow,Oka), PhysicaD339(2017)18-8)で扱われたものから得られる結論で、この2年の定式化は、さらに改良されたものである。 3) この論文を別のニューラル・ネットワークで応用できるかについて、津田一郎氏、荒井迅氏、国府寛氏らと話し合った。
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