研究実績の概要 |
本年度の実績は以下の通りである:1) switching systemは生命科学で扱われる生体分子の制御ネットワーク結合系を区分線形な常備分方程式とその連続系への摂動として捉え、数学的な性質を抽出したものである。研究代表者たちは、今までの科研費研究でこの対象を研究し、かなり広範囲に適用できるようになった。この定式化は、この科研費研究の始まった当初より少しずつ進化しており、この2024年3月のRutgers University の出張で共同研究者との議論でほぼ完成され、論文は1、2ヶ月中に投稿予定である。 2) Rutgers Universityに出張し、論文(Global Dynamics of Ordinary Differential Equations: Wall Labelings, Conley Complexes and Ramp Systems, Mischaikow, Gameiro, Gedeon, Kokubu, Oka, 他)をほぼ完成させた。また、共同研究者であるM.Gameiro氏たちの作ったコンピュータソフトDSGRN (dynamic signatures generated by regulatory networks)の使い方を学び、今後具体的なネットワークについて計算を試みるつもりである。3) いくつかの国際学会TDAweek2023(京都大学)、iciam2023(早稲田大学), KiPDD(慶応義塾大学)、オーストラリア Creswickでの研究会Dynamics and Computationに参加した。これまで、コロナ禍で制限されていた海外渡航の制限がなくなり多くの国際学会が開催され多くの情報交換が出来た。 4) 研究協力者である中川晃成氏と河川測量図のデータを整理した。パーシステント・ホモロジーを用いて解析する予定である。
|