本研究では、2次元系ディラック粒子系において、トポロジカル欠陥(渦構造)に付随する非整数電荷の値を精密な数値計算により正確に評価し、ランダムネスの効果やディラック・コーンの傾きに対する普遍性を数値的に検証した。具体的には、冷却原子系で実現が期待されている、非可換ゲージ場を持つ2次元格子模型を用いた。この系は、内部自由度を持ち、カイラル対称性を保ったまま傾いたディラック粒子系を実現できるという特徴を持つ。計算の結果、現れた非整数電荷は、カイラル対称性を保存するランダムネスやディラック・コーンの傾きには依存しない幅広い普遍性を持つことがわかった。
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