研究課題/領域番号 |
19K03671
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研究機関 | 広島大学 |
研究代表者 |
飯間 信 広島大学, 統合生命科学研究科(理), 教授 (90312412)
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研究分担者 |
紅林 亘 弘前大学, 教育推進機構, 助教 (70761211)
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研究期間 (年度) |
2019-04-01 – 2023-03-31
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キーワード | 生物流体 / 位相縮約 |
研究実績の概要 |
位相自由度をもつ飛翔・遊泳の流体力学モデルを位相縮約法により解析し、また解析手法のさらなる改善を行った。非圧縮流体系は大自由度かつ大域結合性もつため,位相縮約をこれまで知られている計算手法で実行すると計算時間が膨大となり現実的な時間で解析が難しい。本年度は、方程式の時間発展アルゴリズムのみを使って位相縮約理論における基本的な関数の一つである位相感受関数を計算する手法の詳細、それを反応拡散方程式のブリーザー解で解析した結果、また一様流中に置かれた平板後流に適用した結果をまとめて論文として発表した。またこの方法を位相自由度を持つはばたき飛行モデルに適用した。このモデルは翼のはばたき運動が自励的な駆動系で記述されており、位相自由度を持つ。このモデルを本提案手法を用いて位相縮約を行った。その結果位相応答が強い領域や翼駆動系への摂動に対する位相応答の特性が明らかとなった。本課題の解析過程において、これまで用いてきた提案手法を更に改良した結果、複数位相における位相感受関数を同時に計算することが可能となり、計算効率をさらに向上させることに成功した。本改良により、より細かい計算格子や広い計算領域での計算が現実的な時間で可能となり、より様々な系での位相縮約が可能となった。本研究成果は国外開催のセミナー(オンライン)で発表し、広く関心を得た。また、生物流体に関するチュートリアルおよび国際研究集会を企画・開催し、いずれも成功させた。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
基本となる、位相感受関数の効率の良い計算法に対して、さらに性能を向上させるアルゴリズムを開発することに成功した。また、はばたき飛行モデルの位相縮約にも成功している。
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今後の研究の推進方策 |
予定通り飛翔・遊泳モデルの解析を行う。位相縮約理論により計算可能な最適外力等の問題にも取り組む。
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次年度使用額が生じた理由 |
新型コロナウイルスの影響で国内外の会議がほとんどオンライン開催となったため出張ができなくなったことが大きい。研究発表、および研究分担者や関係研究者との議論のための旅費、およびデータ保存装置などにあてるため次年度予算とともに使用する。
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