研究課題/領域番号 |
19K03672
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研究種目 |
基盤研究(C)
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配分区分 | 基金 |
応募区分 | 一般 |
審査区分 |
小区分13010:数理物理および物性基礎関連
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研究機関 | 九州大学 |
研究代表者 |
福本 康秀 九州大学, マス・フォア・インダストリ研究所, 教授 (30192727)
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研究期間 (年度) |
2019-04-01 – 2024-03-31
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キーワード | ケルヴィン・ヘルムホルツ不安定性 / 圧縮性流体 / 接線速度不連続面 / 浅水流 / 重力波 / 剪断層 / 表面張力 / 重力 |
研究成果の概要 |
非圧縮性流体においては、接線速度不連続面は必ずケルヴィン・ヘルムホルツ不安定性(KHI)を起こし、波状変形が発達する。増幅率は接線速度差に比例する。圧縮性にはKHIを弱める作用があり、接線速度差のマッハ数が√8を越えるとKHIが消失する。圧縮性気体のKHIに対する重力および表面張力の効果を調べた。上側の流体軽い場合、重力は復元力として安定化に作用するが、実際には、重力も表面張力も、圧縮性によって安定化されたKHIを不安定にする。圧縮性流体と非圧縮浅水流の間には数学的類似がある。圧縮性気体の音波に対応するのは重力波である。深さの違いの効果や有限幅のシア流に対して新しい不安定性を導いた。
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自由記述の分野 |
流体力学
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研究成果の学術的意義や社会的意義 |
速度不連続面のKelvin-Helmholtz不安定性(KHI)や重い液体層が軽い層上に乗っているとき、界面が一方的に変形して重い液体が沈み込むのがRayleigh-Taylor不安定性(RTI)で、RTI/KHIは乱流に発達し、界面を隔てた物質の混合を促進する。界面乱流は超新星爆発や太陽フレアなどの天体現象から、レーザー核融合、ナノ材料加工まで幅広く関与するが、一様等方性乱流ほど理解が深まっていない。圧縮性がRT乱流に及ぼす影響は未踏領域である。本研究では、圧縮性によって安定化するKHIを、復元力であるはずの重力と表面張力がむしろ不安定化するという謎めいた結果を得て、新たな課題を提供する。
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