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2019 年度 実績報告書

電子散乱・光学応答・陽電子動力学解析に向けた時間依存密度汎関数法の包括的開発

研究課題

研究課題/領域番号 19K03675
研究機関東京理科大学

研究代表者

鈴木 康光  東京理科大学, 理学部第一部物理学科, 講師 (50756301)

研究期間 (年度) 2019-04-01 – 2020-03-31
キーワード時間依存密度汎関数理論 / TDDFT / 機械学習 / 低次元物質 / 多体摂動論 / 励起子 / 電子散乱 / 交換相関
研究実績の概要

3つの研究項目、(1)電子散乱を記述可能とする記憶効果を取り入れた時間依存密度汎関数理論(TDDFT)計算手法の開発と応用、(2)低次元物質の励起子光学応答を記述可能とするTDDFT法の開発と応用、(3)電子・陽電子・原子核相関ダイナミクス計算のための多成分TDDFT法の確立、について研究を行った。
項目1では、機械学習法を用いた、記憶効果を取り入れたTDDFTの交換相関ポテンシャルの開発を行った。1次元2電子散乱モデル系から得られた数値的に厳密な交換相関ポテンシャルの訓練データを用いて、時間依存電子密度を入力とするニューラルネットワークポテンシャルを開発した。特に、初期時刻から現在時刻までの電子密度を時間について重み付き積分をした密度を入力とすることで、記憶効果を取り込んだポテンシャル汎関数を開発することに成功した。開発したポテンシャルは、訓練データ外の電子散乱ダイナミクス計算に対しても良い精度を与えることを示した。本結果を論文に発表した。
項目2では、まず多体摂動理論におけるBethe-Salpeter方程式に近似を加えることでTDDFT法におけるBootstrap交換相関カーネルが導出されることを明らかにし、Bootstrap交換相関カーネルとTran-Blaha metaGGA交換相関ポテンシャルを組み合わせたTDDFT法を用いて、2層六方晶窒化ホウ素および単層遷移金属ダイカルコゲナイドの誘電関数計算を行った。その結果、多体摂動論の方法よりも小さい計算コストで、それぞれの励起子ピークの特徴を正しく計算できることを明らかにした。結果は論文に発表した。
項目3では、研究代表者らが開発した電子‐陽電子相関ダイナミクス解析に向けた時間依存多成分密度汎関数理論(TD-MCDFT)において、Ehrenfest法を適用することで、原子核に働く力を近似的に定式化することに成功した。

  • 研究成果

    (2件)

すべて 2020

すべて 雑誌論文 (2件) (うち査読あり 1件)

  • [雑誌論文] Excitons in two-dimensional atomic layer materials from time-dependent density functional theory: mono-layer and bi-layer hexagonal boron nitride and transition-metal dichalcogenides2020

    • 著者名/発表者名
      Yasumitsu Suzuki, Kazuyuki Watanabe
    • 雑誌名

      Physical Chemistry Chemical Physics

      巻: 22 ページ: 2908~2916

    • DOI

      10.1039/C9CP06034K

    • 査読あり
  • [雑誌論文] Machine learning exchange-correlation potential in time-dependent density-functional theory2020

    • 著者名/発表者名
      Yasumitsu Suzuki, Ryo Nagai, Jun Haruyama
    • 雑誌名

      Physical Review A Rapid Communications

      巻: - ページ: -

URL: 

公開日: 2021-01-27  

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