カイラル磁性体MnSiで観測されている磁気スキルミオンは閾電流密度 1 MA/m2 以上の電流印加で駆動することが知られている。その駆動状態及び電流変動に対する過渡過程を明らかにすべく、交流電流下の中性子小角散乱を開始した。研究の結果、電流下で駆動する磁気スキルミオンは三角格子を保ちかつ試料の端付近では塑性変形を起こしながら駆動する塑性流動が観測されてたが、塑性変形の発現には電流反転後数秒程度の緩和時間が必要であることが判明した。塑性変形で磁気スキルミオン格子中に発生する dislocation が磁気ドメイン壁を滑り、磁気ドメインの端まで動く時間が緩和時間と考えると解釈できることがわかった。
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