研究成果の概要 |
本研究ではこれまでにCePd2Al8を得たフラックス法(自己フラックス法)にて、CeT2X8 (T: 遷移金属, X: Ga, In, Sn, Sbなど)の多数の結晶育成を試みたが、CePd2Al8のみ単結晶が得られた。ただし、これらの試行の中でCe3Al11や、R2TGe6系(R: Ce, Pr、T: Cu, Pd)の単結晶も得られた。この中で216系は斜方晶構造で磁気異方性が強く困難軸の磁化においては3段のメタ磁性が起こすことが分かった。CePd2Al8とCe3Al11についてはとともにシリンダー型圧力セルによる磁化測定を行い、磁気転移温度の圧力変化により研究を行った。
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研究成果の学術的意義や社会的意義 |
大多数が反強磁性体であるセリウム化合物としては珍しく強磁性を示す物質であるCePd2Al8とCe以外の部分を他の元素で置き換えた128系の探索を目的として研究を行った。当初の目的である128系の単結晶育成は成功しなかったが、その過程でCe3Al11とR2TGe6(R:Ce,Pr,T: Cu,Pd)の育成には成功し、これらの常圧化及び高圧下磁性研究を行った。特に、反強磁性体であるR2TX6はこれまで単結晶の研究報告はなかったが、磁場増加により急激な磁化増大(メタ磁性)が3段階で起こることを発見した。これらの結果は発表論文1.にまとめられているが、正確なメカニズムについては研究を継続中である。
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