研究課題
本年度は昨年度実施した電子線マイクロアナライザーEPMAよる最適ドープ領域付近のCa1-xNaxFe2As2(0.5<x<0.7)における組成分析について測定試料数を増やし更に詳細なNa濃度とc軸長の関係を導き出した。これまでNaAsフラックス量およびc軸長でNa濃度を予測してきたが、実際に評価を行う事によりx=0.50付近ではよりNa濃度が増加する一方、x=0.66といった高濃度領域では予測よりもNa濃度が低いものが合成されることが明らかになった。また、J-Parc中性子実験装置『千手』での磁気構造解析を進めx=0.51で観測されたストライプ型の磁気構造による磁気散乱がx=0.52および0.53においても観測され、磁気転移点も55K, 40Kと減少する傾向がみられた。一方、x=0.56ではT=3.35Kにおいても磁気散乱のシグナルを捉えることができずx=0.56において磁気秩序が完全に消失することが明らかになった。以上の結果からCa1-xNaxFe2As2では磁気秩序の抑制に伴い超伝導転移温度が急激に増大する傾向があるといえる。
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