本課題ではNaAsをフラックス剤として用い、フラックスの比を制御することによりこれまでに報告されている結晶サイズを約100倍程度増大させ、中性子実験を実施することを可能にした。また、Na濃度x=0.56(Tc=33.4K)における中性子散乱実験では、過去に実施したBa系と同様に200meVにわたる磁気励起が観測されるなど多くの傾向が一致しており、交換相互作用JとTcとの間に相関関係を示した。また、磁気励起の分散関係はL方向にも明確な分散関係を有していることが判明し、Ca系ではBa系と比較してc軸長が短いため、強い3次元相関が頑強に残っていることを示していることが明らかにした。
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