交換分裂したバンドがスピン軌道相互作用で交差する強磁性体では、バンド交差は、ベリー位相を生じ、異常ホール効果の起源となる。異常ホール効果がこのメカニズムで説明できるSrRuO3のスピン波分散関係の温度変化がベリー曲率の温度変化に対応することが明らかになっていた。本研究では、スピンカイラリティーによって異常ホール効果が説明できる金属強磁性体Nd2Mo2O7、及び、金属反強磁性体Mn3Snのスピン波分散関係がSrRuO3と同じ振る舞いを示すことを明らかにし、ベリー曲率が中性子非弾性散乱の観測量であることを普遍的に示した。また、金属反強磁性体のスピンダイナミクスをブリルアンゾーン全体で明らかにした。
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