電子間のクーロン相互作用が物性を支配する強相関物質では、ドーピングや圧力によるわずかなパラメータ制御で超伝導転移に代表される劇的な電子状態の変化が起こることが知られており、デバイス応用が期待されている。しかし一般的なパラメータ制御は化学的な元素置換や高圧力を用いて行われるため、同一の試料で電子状態を変化させることは容易ではない。本研究では有機強相関物質を用いることで1ボルト程度の電圧、1%程度のひずみで同一試料における超伝導転移を実現してデバイス利用の可能性を示すとともに、三角格子を持つ強相関電子系において超伝導が現れる条件(超伝導相図)を示すことに成功した。
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