研究課題
二次元伝導系に特徴的な電荷集団励起である”音響プラズモン”を、ホールドープ型銅酸化物高温超伝導体において初めて観測した。音響プラズモンの観測はこれまで電子ドープ系に限られていたが、ホールドープ系で伝導を担う酸素pホールを効率よく励起するために酸素K吸収端で軟X線非弾性散乱(RIXS)測定をLa2-xSrxCuO4(LSCO)に対して行うことによって音響プラズモンの観測に成功した。電子ドープ型銅酸化物高温超伝導体Pr1.3xLa0.7CexCuO4(PLCCO)についても、広く行われてきた銅L吸収端ではなく酸素K吸収端のRIXSで弱い音響プラズモンを観測し、電子ドープ型超伝導体のCu 3d軌道からなる伝導電子に酸素p軌道が混成していることを示した。前年度に行ったBi2Sr2CaCu2O8+d(Bi2212)の酸素K吸収端および銅L吸収端RIXS測定において、超伝導研究点移転上下でのスペクトルの巨大な変化を見出した。この巨大変化を、電荷揺らぎ高温超伝導機構(エキシトン機構)を簡略化した理論モデルである“二成分フェルミオン・モデル”で説明できることを具体的に示した。上記の二成分フェルミオン・モデルを含む銅酸化物高温超伝導体の理論モデルの多くは、より現実的で複雑なCu 3d軌道と酸素p軌道を含む”3バンド・ハバード・モデル”ではなく、簡単化された1バンドのハバード・モデルを用いている。1バンド・モデルの正当性と両モデルの関係を理解するために、両モデル間でパラメータを変換する簡易な方法を物理的考察に基づいて導出した。
すべて 2023 2022 その他
すべて 国際共同研究 (2件) 雑誌論文 (9件) (うち国際共著 5件、 査読あり 6件、 オープンアクセス 1件) 学会発表 (12件) (うち国際学会 9件、 招待講演 6件) 備考 (3件)
Physical Review B
巻: 107 ページ: 085125-1~9
10.1103/PhysRevB.107.085125
Journal Club for Condensed Matter Physics
巻: - ページ: -
10.36471/JCCM_February_2023_01
Synchrotron Radiation News
Journal of the Physical Society of Japan
巻: 91 ページ: 064710-1~5
10.7566/JPSJ.91.064710
巻: 105 ページ: 235105-1~9
10.1103/PhysRevB.105.235105
Physica B: Condensed Matter
巻: 642 ページ: 414129-1~5
10.1016/j.physb.2022.414129
Nature Communications
巻: 13 ページ: 7906~1-9
10.1038/s41467-022-35210-8
固体物理
巻: 57 ページ: 297-306
10.36471/JCCM_April_2022_01
https://sites.google.com/view/fujimorigroup/home?authuser=0
http://tpsbl.nsrrc.org.tw/bd_page.aspx?lang=en&port=41A&pid=1044
https://phys.site.nthu.edu.tw/p/406-1335-58759,r3581.php?Lang=zh-tw