研究課題
重水素実験ではプラズマの外に出てくる高速中性子の発生率並びに発生分布を計測することで、プラズマ内部の高エネルギー粒子閉じ込め情報及びその時間変化を得ることが出来る。アルヴェン固有モードが励起された際に、これまで用いてきたアルヴェン固有モードの空間分布計測及び損失高エネルギーイオン束計測に加え、プラズマ内部に閉じ込められている高エネルギー粒子の輸送の様子を取得する。今年度においては、東北大学の中性子発生装置において、中性子検出器の応答取得実験を実施した。実験より、実験に必要とされる中性子計測の性能評価を行った。高速中性子検出用シンチレータ(EJ410)、光電子増倍管(H7194)、速い時間応答を持つ電流増幅器、及びデータ収集系から構成される中性子検出システムを構築した。シンチレータ容量については、直径が2インチ、厚さが0.625インチとした。高磁場実験における高エネルギーイオン励起電磁流体力学的不安定性が発現した放電において、中性子発生率の時間変化を取得した。高エネルギー粒子に係るIAEA技術会合において招待講演を行った。招待講演の内容に基づき、Nuclear Fusion誌へ投稿し、論文がアクセプトされた。その後、低磁場条件におけるアルヴェン固有モード励起放電において、中性子検出システムを用いた中性子発生率の時間変化及び損失高エネルギーイオンプローブを用いた損失高エネルギーイオン束の時間変化を同時に取得した。
2: おおむね順調に進展している
当初の予定通り、中性子検出システムを構築し、アルヴェン固有モード励起実験において、中性子発生率及び損失高エネルギーイオン束を同時に取得するところまで到達しており、概ね順調に進展していると評価できる。
・より高磁場条件において、アルヴェン固有モード励起実験を行う。・アルヴェン固有モードの空間分布解析、及び数値シミュレーション解析に着手する。
2020年2月における会議の参加がなくなったために次年度使用額が生じた。翌年度分と合算し、学会発表のための旅費に使用する予定である。
すべて 2020 2019 その他
すべて 国際共同研究 (2件) 雑誌論文 (1件) (うち国際共著 1件、 査読あり 1件) 学会発表 (2件) (うち国際学会 1件、 招待講演 1件) 備考 (1件)
Nuclear Fusion
巻: 60 ページ: 112011
10.1088/1741-4326/ab6da0
https://www-app.nifs.ac.jp/cgi-bin/people/member.cgi?id=ogawa_kunihiro