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2019 年度 実施状況報告書

消化器癌に対するプラズマバブル噴霧投与の開発と臨床応用

研究課題

研究課題/領域番号 19K03814
研究機関東京都市大学

研究代表者

森 晃  東京都市大学, 工学部, 教授 (60219996)

研究分担者 小林 千尋  東京都市大学, 工学部, 講師 (00570699)
工藤 美樹  広島大学, 医系科学研究科(医), 教授 (80241082)
平田 孝道  東京都市大学, 工学部, 教授 (80260420)
研究期間 (年度) 2019-04-01 – 2022-03-31
キーワードプラズマ医学 / 大腸癌 / プラズマバブリング液
研究実績の概要

従来型の大気圧ペンシルプラズマの構造を基に、絶縁円筒の中心にプラズマ生成用電極(直径0.5~1.0mm のタンタル線)を通した同軸構造の大気圧プラズマ生成部を作製した。ガラスキャピラリー(プラズマ発生部の内径:8 mm、先端部の内径:1 mm)内にタングステン線(直径:1 mm)を導入し、外部に筒状グランド電極を設置した同軸状構造とする。キャピラリー先端に10cmのシリコンチューブを装着し、生理食塩水が入ったビーカーにシリコンチューブの先端を入れてプラズマフローでバブリングさせた。プラズマ発生条件は周波数3.0kHz,印加電圧13kV、バブリング時間300秒とした。プラズマはヘリウムガスにより発生させ、ガス流量は1.0L/minである。6mlの生理食塩水に対して大気圧低温プラズマをバブリングし,プラズマ照射水を作製した。
結果として、ヘリウムガスのみとプラズマ発生によるバブリング液の比較において(n=5) 硝酸,亜硝酸,過酸化水素が、プラズマ照射水はヘリウムガスのみの照射を行った生理食塩水よりも有意に高い濃度で検出された。また、2時間までの測定ではどの成分においてもプラズマ照射液では減衰しないことが判明した。従って,腸内洗浄後,プラズマ照射水が腸内に滞留している間は硝酸,亜硝酸,過酸化水素は減衰せずに保持されているものと考れられた。
結論として、プラズマ照射水においては硝酸,亜硝酸,過酸化水素が生成されることが確認できた。また,それぞれの成分は2時間経過しても減衰しないことが明らかとなった。

現在までの達成度 (区分)
現在までの達成度 (区分)

3: やや遅れている

理由

コロナウイルス感染症による緊急事態宣言により、大学学内研究室(2月後半より)への立ち入りが制限された。昨年よりプラズマバブリング液作製は可能となり、そのプラズマバブリング液組成成分分析は終了したが、そのバブリング液による細胞レベルでの研究実験ができなくなったため。

今後の研究の推進方策

緊急事態宣言が解除されたが、6月末まで研究室の入室制限があるために実験が不可能である。解除後は大腸癌細胞でのプラズマバブリング液の効果を評価する予定である。
硝酸や亜硝酸,過酸化水素といった活性酸素種は,アポトーシスを引き起こすとされている。また,癌細胞は外因性酸化ストレスへの耐性が正常細胞よりも低いとされている。従って,活性酸素種による酸化ストレスが加わったことにより,プラズマ照射水で腸内洗浄を行った大腸癌誘発ラットにおいては大腸癌の進行が抑制されるのではないかと考えられる。
以上より、今後は大腸癌培養細胞と小動物実験による研究を進めたい。

次年度使用額が生じた理由

プラズマバブリング液作製は可能となり、そのプラズマバブリング液組成成分分析は終了したが、コロナウイルス感染症による緊急事態宣言により、2月後半より大学学内研究室への立ち入りが制限された。そのために、プラズマバブリング液の細胞レベルでの研究実験ができなくなったために大腸癌細胞購入にあたる費用が残った。今年度に大腸癌細胞を購入して細胞レベルの実験を行う予定である。

  • 研究成果

    (1件)

すべて 2020

すべて 学会発表 (1件)

  • [学会発表] 大腸癌モデルラットに対する大気圧低温プラズマの影響の検討に向けた プラズマ照射水の成分分析2020

    • 著者名/発表者名
      奥野 菜々子、森 晃
    • 学会等名
      日本AEM学会

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公開日: 2021-01-27  

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