研究課題/領域番号 |
19K03837
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研究機関 | 大学共同利用機関法人高エネルギー加速器研究機構 |
研究代表者 |
松古 栄夫 大学共同利用機関法人高エネルギー加速器研究機構, 計算科学センター, 助教 (10373185)
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研究分担者 |
住吉 光介 沼津工業高等専門学校, 教養科, 教授 (30280720)
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研究期間 (年度) |
2019-04-01 – 2023-03-31
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キーワード | 超新星爆発シミュレーション / 高性能計算 / GPU / PEZY-SC / 富岳 |
研究実績の概要 |
2021年度には、引き続きBoltzmann方程式ソルバーの高速化を行った。球対称(1次元空間座標)及び3次元空間でのニュートリノ輻射-流体力学コードのメニーコア・アクセラレータ向けの高速化を引き続き行った。GPUやPEZY-SC向けの高速なコードではCUDAやOpenCLによる実装が必要になるが、より実装が容易なOpenACCによるコードから自動的にCUDAやOpenCLコードを生成するコード・ジェネレータの開発を進めた。これはOpenACCコードから、等しい動作を行うCUDAやOpenCLのカーネル・コードに変換し、データ転送などはライブラリ関数に置き換えるもので、スクリプト言語Rubyで実装を行っている。このようなツールは反応過程などアクセラレータにオフロードすべき計算が多い、本課題のようなシミュレーションでは、開発の効率化に役立つと考えている。2021年度中に十分な機能を実装することはできなかったが、研究期間を延長して開発を進める。 早稲田大学を中心に進められている超新星爆発シミュレーション研究のグループに参加し、Oakforest-PACSや富岳コンピュータでの大規模数値シミュレーションによる研究を行った。富岳での計算において時間がかかっている、電子散乱反応過程の高速化など、最新アーキテクチャ向け最適化法の開発を行った。一般相対論的効果の組み込み、状態方程式の影響の研究など順調に進展している。 Boltzmann方程式の陰解法では線形方程式の反復解法がボトルネックの一つだが、これに関連する研究として、マルチグリッド法の可能性を検討している。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
3: やや遅れている
理由
本課題の主要なゴールである、GPUやPEZY-SCを用いた高精度計算を進める予定であったが、コード検証やコードジェネレータの開発に予想以上に時間がかかったため、進捗がやや遅れている。
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今後の研究の推進方策 |
本課題は本来2021年度が最終年度であったが、進捗がやや遅れていることや、新型コロナの影響により旅費などの使用が抑えられたことから、研究期間の延長を申請して認められた。このため、特に2021年度の課題であった、OpenACCからCUDA, OpenCLのコードを生成するジェネレータの開発と、GPUやPEZY-SCを利用した高精度計算を引き続き進める予定である。
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次年度使用額が生じた理由 |
新型コロナの影響により打合せや研究会への参加がオンライン主体となったため、旅費に予定していた経費を使用しなかった。
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