研究課題
基盤研究(C)
本研究では、酒井一博氏との共同研究で、JT重力の行列模型を用いた量子重力の研究を行った。JT重力は、その行列模型による記述が量子重力の非摂動的な定義を与えるため、量子重力のトイモデルとして非常に有用である。我々は、JT重力が2次元位相的重力の特別な場合であり、無限個の結合定数をある特殊値に選んだ背景に対応することを示し、分配関数のジーナス展開を漸化的に計算する手法を開発した。
素粒子理論、超弦理論
自然界の4つの力(電磁気力、弱い力、強い力、重力)のうち、重力だけが未だに量子論的な記述がわかっていない。超弦理論が量子重力の有力な候補であるが、弦理論では量子重力の非摂動的な効果を見ることが困難であるため、具体的に計算可能なトイモデルを調べることが重要である。JT重力の行列模型はそのようなトイモデルの中でもホログラフィー原理との相性が良く、本研究は量子重力の理解へ向けた重要な一歩である。