原始ブラックホール形成に必要な原始密度揺らぎの大きさの閾値を求めました。閾値は角運動量の2次のオーダーで増加し、回転速度が大きい原始ブラックホールほど形成しにくいという結果が得られました。このことは、原始ブラックホールの形成時における角運動量分布を主に決めるのは、閾値ではなく揺らぎの分布関数であることを示すものです。この結果を踏まえ、合体率分布に基づいて原始ブラックホールを重力波観測から検証するための方法論を構築し、LIGO-VirgoのO3観測による実データに適用しました。そして、現在のデータ数では不十分で、将来観測によるデータ蓄積が必要であることを示しました。
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