研究課題
ヒッグス粒子の背後にどんな新しい物理が待ち受けているのか、鍵となるのはゲージ対称性の自発的破れのメカニズムである。標準模型では、SU(2)xU(1)ゲージ対称性を電磁U(1)ゲージ対称性に破るのにヒッグス機構を用いるが、このやり方ではヒッグス粒子とクォーク・レプトン・ゲージボゾン、そしてヒッグス粒子の自己相互作用は任意のものとなり、原理が欠落している。細谷機構では、4次元のヒッグスボゾンはゲージ場の5次元目成分、AB位相の揺らぎとして出現し、ゲージ原理により相互作用が支配される。この細谷機構に基づいた電弱統合理論としてゲージヒッグス統合理論(GHU)がある。細谷は、SO(5)xU(1)電弱統合GHUのモデル(GUT inspired モデル)を構成し、その現象論的帰結を明らかにするとともに、オービフォルド上のゲージ理論ではアノーマリーフローが起こることを示した。さらに各ゲージ場に関するアノーマリーの大きさがフェルミオンの詳細によらず、オービフォルドのUVブレーン, IR ブレーン上でのゲージ場の波動関数の値とフェルミオンのブレーンに関するパリティだけで決まるというホログラフィを発見した。Randall-Sundrum(RS)ワープ空間上で、アノーマリーフローに関するホログラフィを数値的にも確立した。RS上のSU(2)モデルでは、5次元目のアハロノフ・ボーム(AB)位相とともにカイラルフェルミオンがベクターフェルミオンに連続的に変化し、アノーマリーの大きさも連続的に変化しすることを示した。
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