研究課題/領域番号 |
19K03884
|
研究機関 | 東京大学 |
研究代表者 |
野中 敏幸 東京大学, 宇宙線研究所, 助教 (30506754)
|
研究分担者 |
荻尾 彰一 東京大学, 宇宙線研究所, 教授 (20242258)
さこ 隆志 東京大学, 宇宙線研究所, 准教授 (90324368)
|
研究期間 (年度) |
2019-04-01 – 2024-03-31
|
キーワード | 宇宙線物理学 / 超高エネルギー宇宙線 / 粒子検出器 / 空気シャワー / ハドロン相互作用 |
研究実績の概要 |
最新のハドロン相互作用の理解やLHC加速器実験での測定結果を反映させた最新の空気シャワーモデル計算とより情報量の多い比較を行うために、将来の大気蛍光望遠鏡と連動した、”陽子”-“ 大気”衝突を選択的に選んだ空気シャワーモデルの検証が必要である。 本研究では、複数のセグメントで構成した鉛サンドイッチ型検出器(鉛-検出器) と、コンクリート遮蔽の下に備えられた検出器(コンクリート-検出器) の両方を用い、2次シャワー粒子の弁別測定を行う。そのためのデータ取得システムの構築及び、得られたデータの空気シャワーモデルとの予備的な比較までをおこなう事を計画している。 これまでにコンクリートブロックの遮蔽下に配置された検出器モジュール(24㎡)、および鉛サンドイッチ型シンチレーター検出器(3㎡)がTA 実験サイト中央のレーザー射出装置(CLF) 付近に配置され、部分的に試験的な測定を継続している。 最終年度である2023年度には、2022年度までに設置済の検出器の内、長期間動作確認が出来ていない検出器について、2023年7月中旬から8月上旬にかけて動作確認を行った。現地で作業可能な日程が限られ継続的に稼働するデータ収集システムの設置は完了する事が出来なかった。 本研究計画の研究期間を通して、以下の事が研究成果として得られた。空気シャワー粒子の弁別観測のための多チャンネル化した地表粒子検出器のシミュレーションによる弁別性能の予測から、実際の検出器設計・組み立て・設置についての知見を得た。 また、インフラの無い場所での 観測拠点の設営、データ取得、データ転送方法についての知見を得ることが出来た。これらの設置の経験は、今後の大規模な観測の際に有用であると考えている。一方で、COVID19の影響もあり、一部のデータ取得システムの設置、長期のデータ取得が出来ていない。
|