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2021 年度 実施状況報告書

荷電パイ中間子を用いた新物理による崩壊過程の探索

研究課題

研究課題/領域番号 19K03888
研究機関大学共同利用機関法人高エネルギー加速器研究機構

研究代表者

伊藤 慎太郎  大学共同利用機関法人高エネルギー加速器研究機構, 素粒子原子核研究所, 研究員 (40780549)

研究期間 (年度) 2019-04-01 – 2023-03-31
キーワード荷電パイ中間子 / 精密測定 / 稀崩壊事象 / ニュートリノ / ミューオン / タウ粒子 / B中間子 / 暗黒物質
研究実績の概要

カナダのTRIUMF研究所にて行われたPIENU実験は、パイオンの崩壊分岐比を精密に測定することで、新物理の検証を行うことを目的とした実験である。本実験では、2012年までビームタイムを行い、その結果、過去にTRIUMFで行われた実験よりも30倍以上の統計が得られた。そして、2015年に一部のデータを用いた解析が完了し、過去の実験よりも2倍高い精度で崩壊分岐比を求めることができた。現在、全データを用いた崩壊分岐比の解析が間も無く完了しようとしている。
一方で、PIENU実験にて得られたパイオンデータを用いた精密なエネルギースペクトラム解析は、標準理論を超えた物理を直接探索することができる。本研究課題は、パイオンデータをより精密に解析し、標準理論を超えた新物理による事象をより高い精度で探索することを目標としている。2021年度はこれまでの経験をさらに発展させ、パイ中間子のみならず、ミューオンやタウ粒子、B中間子を用いた新物理の研究を行った。タウ粒子に関しては、海外の研究者と共同で研究を行い、その結果を学術論文で発表した。パイ中間子やミューオン、B中間子に関しては日本物理学会にて研究成果を発表した。
なお、これまでの研究結果をもとに、PIENU実験を改良し、大幅な感度の改善を目指した新実験が計画中である。新実験の計画書に関してはarXivに投稿済みである。

現在までの達成度 (区分)
現在までの達成度 (区分)

1: 当初の計画以上に進展している

理由

研究実績の概要で述べたように、これまでのPIENU実験での経験をもとに、当初の予定よりも研究の範囲を大幅に広げることができた。そして、研究成果も学術論文や学会で発表しているため、当初の計画以上に進展していると判断した。

今後の研究の推進方策

さらなる新物理の研究を行うため、引き続き海外の研究者とコンタクトを取り、研究を進めていく。

次年度使用額が生じた理由

本研究を行うにあたって、カナダのTRIUMFへの出張を計画していたが、コロナの影響で中止になったため、次年度使用額が生じた。

  • 研究成果

    (7件)

すべて 2022 2021

すべて 雑誌論文 (3件) (うち国際共著 3件、 査読あり 1件、 オープンアクセス 3件) 学会発表 (4件) (うち国際学会 1件)

  • [雑誌論文] Testing Lepton Flavor Universality and CKM Unitarity with Rare Pion Decays in the PIONEER experiment2022

    • 著者名/発表者名
      PIONEER Collaboration
    • 雑誌名

      SNOWMASS white paper

      巻: arXiv:2203.05505 ページ: 1-35

    • DOI

      10.48550/arXiv.2203.05505

    • オープンアクセス / 国際共著
  • [雑誌論文] PIONEER: Studies of Rare Pion Decays2022

    • 著者名/発表者名
      PIONEER Collaboration
    • 雑誌名

      PSI proporsal

      巻: arXiv:2203.01981 ページ: 1-68

    • DOI

      10.48550/arXiv.2203.01981

    • オープンアクセス / 国際共著
  • [雑誌論文] Upper limits on branching ratios of the lepton-flavor-violating decays2021

    • 著者名/発表者名
      Bryman Douglas、Ito Shintaro、Shrock Robert
    • 雑誌名

      Physical Review D

      巻: 104 ページ: 075032

    • DOI

      10.1103/physrevd.104.075032

    • 査読あり / オープンアクセス / 国際共著
  • [学会発表] Belle-II 実験における heavy QCD axion を伴ったB->Ka崩壊の探索2022

    • 著者名/発表者名
      伊藤慎太郎
    • 学会等名
      日本物理学会第 77 回年次大会
  • [学会発表] PIENU 実験におけるミューオンを用いたヘビーニュートリノ探索2021

    • 著者名/発表者名
      伊藤慎太郎
    • 学会等名
      日本物理学会2021 年秋季大会
  • [学会発表] Upper limits on branching ratios of tau->lgg and tau->lX decays2021

    • 著者名/発表者名
      伊藤慎太郎
    • 学会等名
      新学術領域「ニュートリノで拓く素粒子と宇宙」オンライン研究会
  • [学会発表] Upper limits on branching ratios of tau->lgg and tau->lX decays2021

    • 著者名/発表者名
      Shintaro Ito
    • 学会等名
      2021 Meeting of the Division of Particles and Fields of the American Physical Society (DPF21)
    • 国際学会

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公開日: 2022-12-28  

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