惑星状星雲の可視三次元分光データを用いて、星周殻内のガスとダストの物理量空間分布を調査し、中小質量星の恒星風質量放出を定量的に解明することを目指した。独自に開発した手法を駆使し、以下の知見を得た。(1) ガス・ダスト質量の空間分布は一様ではなく、赤道に沿って質量が集中している。AGB星段階での非等方な大規模質量放出が赤道トーラス構造 を形成し、それがその後の小規模質量放出の方向性や非球対称星雲殻形成を駆動していると考えられる、(2)ガス-ダスト質量比は星周殻内で空間的に大きく変化している、(3) 元素組成の空間分布は非一様性は星周殻形成史と中心星進化史を反映している。
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