本研究は、星がなぜ超新星爆発を起こすのか、どのような星が爆発し中性子星を残すのか、という天文学上の重要な問いの一つに、爆発前の星が残した星風の元素量から明らかにする新手法を提案している。結果として、星風に含まれる窒素や酸素の比から、爆発前の星の質量や回転速度、また対流の状態(星の内部状態)まで明らかにできることを示せた。いずれも、既存の研究では推定が困難で得ることの難しかった情報である。今年度に日本が打ち上げるXRISM衛星は、窒素や酸素の輝線をこれまでにない精度で検出することができるため、上記の根源的な問いに答えられる手法を確立した点で本研究は大きな意義がある。
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