研究実績の概要 |
太陽のおよそ10倍以上の質量を持つ星は、寿命を迎える際に超新星爆発を起こす。近年の大規模探査により、通常の超新星の10~100倍も明るい超高光度超新星が発見された。しかし、超高光度超新星がどのような環境で発生するのか未だ解明されていない。本研究では、新たな観測手法として塵による吸収を受けない電波を用いることにより、母銀河の観測及び空間分解した観測を行い、超高光度超新星の発生環境を理解する。最終年度には、以下の成果が得られた。 i) 超高光度超新星が発生した場所における分子ガスの性質を探るため、超高輝度超新星2017egm母銀河の分子ガス観測がALMA望遠鏡を用いて行われた。この観測は2021年度から継続して行われているものであるが、未実行の観測を含めて観測が終了した。この観測によって、より高空間分解能の観測および異なる準位の一酸化炭素輝線が得られた。 ii) 突発天体の発生環境の統合的な理解として、電波帯での突発現象として知られる高速電波バーストの母銀河における分子ガス観測をALMA望遠鏡を用いて行った。赤方偏移0.234にあるFRB20191001Aの母銀河観測では、他の高速電波バースト母銀河と比較して大量の分子ガスが存在することが分かった。この結果は、母銀河の多様性を示す新たな証拠となった。この研究は査読付き論文として投稿中である(Yamanaka, I., Hatsukade, B., et al.)。
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