電波望遠鏡ALMAによる円盤の高分解能観測により、惑星形成の現場である原始惑星系円盤においてダストがリング状に分布していることが明らかになった。このようなダストリングは、氷が昇華する軌道(雪線)において形成される可能性が理論的に指摘されている。本研究では、雪線位置の予言のために必要な円盤温度分布の正確な計算モデルを開発し、さらに雪線上で形成されるダストリングが惑星形成につながる可能性を検討した。その結果、円盤の温度分布の不安定性によって雪線はさまざまな軌道に形成されうること、雪線での微惑星形成が起こるためには円盤内のダストが短い時間で中心星方向に流れる必要があることを明らかにした。
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