研究課題/領域番号 |
19K03938
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研究機関 | 国立天文台 |
研究代表者 |
河野 裕介 国立天文台, 水沢VLBI観測所, 助教 (00370106)
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研究期間 (年度) |
2019-04-01 – 2022-03-31
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キーワード | 電波干渉計 / 気球 / VLBI |
研究実績の概要 |
本計画は申請時には人類がなしえていないブラックホールの存在の観測的実証となるブラックホールシャドウの直接撮像を目指すため、成層圏に気球を用いて電波望遠鏡を打ち上げて成層圏電波干渉計を実現するために、世界で初めての成層圏気球VLBI技術実証観測を行うことである。 それまでに同様の研究テーマによる科研費をもとに2016年度から2018年度までフライトに臨んでいる。しかし気象条件が合わずフライトに至らなかった。特に2017年度は気象予想では条件の整ったため7月24日のフライトが決定した。数時間にわたるフライトシーケンスに入り、最終的なリリースを待機している際に、気象予報では想定できないほどの急激な地上の風速の上昇によって、フライトが緊急中止となった。フライトモデルは昨年度同様に相模原へ返送した。2018年度も、実検提案は採択され放球に臨んだ。しかしながら気象条件が整わず、放球されなかった。この放球待機オペレーションの後ゴンドラ等は放球場において保管状態で次年度のフライトに備えた。2019年度は、前年度までと同様にフライトのための実験提案は採択された。しかしながら国際的なヘリウム不足によりそして本研究提案を含むほとんどのミッションは採択されながらもフライトがキャンセルされた。フライトモデルは実験場にフライトモデルのまま保管された。 2020年度も新型コロナウィルスの流行以前に実験提案が採択されていた。しかしながら緊急事態宣下の発出などにより実験場の開場が大きく遅れ、最適な放球ウィンドウの前半部を喪失した。開場ののち準備を始め放球台に搭載されたが、気象条件が整わず放球が行われなかった。フライトモデルは実験場に保管され2021年度の放球に備えている。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
3: やや遅れている
理由
PIチームによるフライトモデルの製造と試験は完了し、2016年度よりフライトに臨んて来たが、気象条件によりフライトが行えていない。本研究期間の初年度 2019年度は、国際的なヘリウム不足によりJAXAはヘリウムの調達が行えなかったためフライトが行えなかった。2020年度もコロナウィルスの流行により実験場の開場が遅れて、放球ウィンドウを大きく喪失したこともあり気象条件が適さず放球されていない。フライトモデルは完成し、実験場で待機状態にあり2021年度のフライトに備えている。
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今後の研究の推進方策 |
本フライトモデルは、国内のVLBI局を相手に観測するシステムとなっており、スウェーデンやオーストラリア等の国際気球放球場を利用することができない。したがってJAXAが運用している大樹宇宙実験場による放球に備えることが最も効果的な方法であり、これまでと同様に大樹宇宙実験場での放球をベースに研究を進める予定である。
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次年度使用額が生じた理由 |
コロナウィルス流行により放球場の開場が遅れ、実験期間が短縮された。また2021年度の放球に備えるため、2020年度相当額を2021年度に繰り越す必要があった。2021年度は、放球実験活動と、放球後の研究活動にあてる計画である。
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