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2021 年度 実施状況報告書

複数衛星を用いた地磁気脈動指数の導出

研究課題

研究課題/領域番号 19K03948
研究機関九州工業大学

研究代表者

寺本 万里子  九州工業大学, 大学院工学研究院, 助教 (10614331)

研究期間 (年度) 2019-04-01 – 2023-03-31
キーワード太陽地球システム / 宇宙天気 / 磁気嵐 / 衛星多点観測 / 放射線帯 / 地磁気 / 太陽活動
研究実績の概要

地球半径6倍以内に位置する内部磁気圏に生じるPc5地磁気脈動(周波数:1.7-7.0mHz)の活動度をモニターするために、あらせ衛星を中心とした複数の人工衛星が観測した磁場データから、地磁気脈動指数を導出している。
本年度はあらせ衛星の磁場データにみられる2-3mHzの継続的なノイズの原因調査と、ノイズ除去について検討を行った。あらせ衛星の姿勢データにみられる2-3mHzをもつ周期的な擾乱が、あらせ衛星の磁場データにみられるノイズと相関が高かったことから、磁場データの継続的なノイズは姿勢データに起因するものであることが明らかになった。姿勢データのノイズの原因を調査するために、姿勢データのノイズの特性を詳細な調査を行ったが、磁場データにみられるノイズの本質的な解決には繋がらなかった。また、磁場の時系列データから人工ノイズを除去する方法を幾つか試したが、2-3mHz付近の周波数をもつ自然擾乱も取り除いてしまうため、時系列データからノイズを取り除くことはできなかった。そこで、地磁気脈動指数を導出する際に用いる磁場のパワースペクトルから2-3mHzの周波数帯を取り除いて計算することで、強制的に2-3mHzの周波数帯を取り除いた。また、指数導出の際の上限周波数を22mHzに上げ、Pc4地磁気脈動(周波数:7.0-22mHz)にも対応するように指数導出方法を改めた。
この地磁気脈動指数を用いて、サブストーム由来の地球夜側で発生する地磁気脈動の調査を行った。サブストーム由来のち時期脈動の空間特性を調べることで、地磁気脈動の励起機構を明らかにすることができた。

現在までの達成度 (区分)
現在までの達成度 (区分)

2: おおむね順調に進展している

理由

ノイズの原因調査やノイズ除去の方法確立に時間がかかったものの、最終的に地磁気脈動指数から人工ノイズを除去することができた。また論文も出版できたことから、おおむね順調に進展していると判断した。

今後の研究の推進方策

今年度の研究によってノイズが除去されたあらせ衛星の地磁気脈動指数と、太陽風パラメータや放射線帯電子フラックスとの比較を改めて行い、地磁気脈動指数と太陽風・放射線帯との関係を明らかにする。さらに地上観測から導出された地磁気脈動指数や、あらせ衛星とは異なる軌道を持つ内部磁気圏観測衛星の磁場データによって導出された地磁気脈動指数との比較を行い、それぞれの特性について考察を行う。

次年度使用額が生じた理由

昨年度に引き続き学会はオンラインで開催されたため、当初予定していた旅費を使用しなかった。また、データのノイズ除去方法の確立に時間がかかったため、論文執筆や出版が当初予定していたよりも進まず、次年度使用額が生じた。差額の助成金は、成果発表に使用する予定である。

  • 研究成果

    (3件)

すべて 2022 2021

すべて 雑誌論文 (2件) (うち査読あり 2件) 学会発表 (1件)

  • [雑誌論文] Off‐Equatorial Pi2 Pulsations Inside and Outside the Plasmapause Observed by the Arase Satellite2022

    • 著者名/発表者名
      Teramoto M.、Miyoshi Y.、Matsuoka A.、Kasahara Y.、Kumamoto A.、Tsuchiya F.、Nose M.、Imajo S.、Shoji M.、Nakamura S.、Kitahara M.、Shnohara I.
    • 雑誌名

      Journal of Geophysical Research: Space Physics

      巻: 127 ページ: 1-18

    • DOI

      10.1029/2021JA029677

    • 査読あり
  • [雑誌論文] A Statistical Study of the Solar Wind Dependence of Multi‐Harmonic Toroidal ULF Waves Observed by the Arase Satellite2022

    • 著者名/発表者名
      Yamamoto K.、Seki K.、Matsuoka A.、Imajo S.、Teramoto M.、Kitahara M.、Kasahara Y.、Kumamoto A.、Tsuchiya F.、Shoji M.、Nakamura S.、Miyoshi Y.、Shinohara I.
    • 雑誌名

      Journal of Geophysical Research: Space Physics

      巻: 127 ページ: 1-17

    • DOI

      10.1029/2021JA029840

    • 査読あり
  • [学会発表] Mode-coupling Pi2 pulsations on the off-equatorial plasmapause inferred from the Arase satellite observation2021

    • 著者名/発表者名
      Mariko Teramoto, Ayako Matsuoka, Yoshiya Kasahara, Yasumasa Kasaba, Atsushi Kumamoto, Fuminori Tsuchiya, Shoya Matsuda, Yoshizumi Miyoshi, Masahito Nose, Tomoko Nakagawa, Shun Imajo, Masafumi Shoji, Satoko Nakamura, and Iku Shinohara
    • 学会等名
      日本地球惑星科学連合2021年大会

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公開日: 2022-12-28  

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