研究課題
基盤研究(C)
大規模N体計算を用いて、多様なデブリ円盤からの多様な衛星系の形成過程を調べた。以下に主な3つの成果について紹介する。(1) 天王星への巨大天体衝突後に形成されるデブリ円盤からの天王星衛星系の形成過程を検証し、問題点の指摘およびその解決策の提示を行った。(2) 準惑星ハウメアのリングおよび衛星が天体衝突によって形成されたとするシナリオを提示した。(3) 大量のパラメータスタディにより、太陽系外衛星も含む多様な衛星の巨大天体衝突による形成過程を統計的に検証した。
惑星科学
巨大天体衝突後に形成されるデブリ円盤からの、太陽系の天体(月・天王星衛星・ハウメアリングなど)の形成過程を明らかにするだけでなく、系外衛星を含めた多様な衛星系の形成過程を検証した点は、国際的にもユニークで新しい試みであり学術的意義は大きい。また系外衛星の候補天体が報告されつつある今、世界に先駆けて系外衛星形成に関する研究を行ったことも重要である。さらに近年、系外惑星観測や太陽系内の天体探査に対する社会全体の関心は急速に高まっており、本成果の社会的意義も大きいといえる。