現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
本研究は,先に述べたよう,局所微量元素分析法確立,隕石試料の記載,並びに流体プロセスの年代を決定することを計画している.初年度は隕石試料を構成する各鉱物の微量元素濃度を求めるため,また試料抽出法の妥当性を検証するため,局所微量元素分析法の開発に取り組んだ.第二年度は,これを隕石試料に応用することを予定していた. コンドリュールから化学的に抽出されるメソスタシスに対し年代測定法を応用するにあたり,また対応する薄片に含まれるメソスタシス構成要素のアルカリ元素 (Li, Rb, Cs) 並びにアルカリ土類元素 (Sr, Ba) の濃度を求めるにあたり数十ミクロン程度の空間分解能をもつ局所分析が必要である.本研究では二次イオン質量分析法並びにレーザープローブ ICP 質量分析法を応用する. 標準試料を整備し,アルカリ (Li, Rb, Cs) 及びアルカリ土類 (Sr, Ba) に,B, Y, Zr, Nb, La, Ce, Pr, Nd, Sm, Eu, Gd, Tb, Dy, Ho, Er, Tm, Yb, Lu, Hf, Pb, Th, U を加え,計 27 元素について検量線を求めた. 以上の分析手法すなわち,レーザープローブ ICP 質量分析法と二次イオン質量分析法を隕石試料に応用した.レーザープローブ ICP 質量分析法による多全素定量と二次イオン質量分析法による高感度分析が相補的に機能し,アエンデ隕石に含まれるコンドリュールの各フェーズについて,微量元素分析を実施した.以上の計画と実施状況を鑑みると,現在までの研究はおおむね順調に進展しているといえる.
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