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2022 年度 実施状況報告書

高分散分光観測による星・惑星形成過程の解明

研究課題

研究課題/領域番号 19K03957
研究機関国立天文台

研究代表者

高木 悠平  国立天文台, ハワイ観測所, RCUH職員 (80648973)

研究期間 (年度) 2019-04-01 – 2024-03-31
キーワード星・惑星形成
研究実績の概要

これまでに行われてきた前主系列星に対する詳細な観測から、原始惑星系円盤や原始惑星の形成・進化の様子が明らかにされつつある。これらの観測結果から、星や惑星の形成過程をより詳細に理解するためには、若い星の年齢を始めとした物理量を決定し、統計的な議論を推し進めることが重要である。
本研究では、可視及び近赤外線の高分散分光観測による前主系列星の年齢決定手法を用い、原始惑星系円盤の進化時間に関する理解を深めてきた。高分散分光観測で得られる星の表面重力という量は、前主系列星の観測をする際に物理量決定の不定性の原因となる距離や減光、また円盤からの熱的再放射の影響を受けないため、正確な年齢決定が可能になる。この手法から、原始惑星系円盤は星形成領域ごとに散逸に要する時間が異なることが明らかになっており、おうし座分子雲ではへびつかい座分子雲に比べ、円盤の寿命がおおよそ2倍長いことがわかっている。
このような統計的調査を推し進めるため、おおかみ座分子雲に属する前主系列星の高分散分光観測を実施した。おおかみ座分子雲はへびつかい座分子雲と周辺環境が似ているため、進化過程を比較することで原始惑星系円盤の寿命を決定する要因を調査することができる。この観測結果から、おおかみ座分子雲での円盤の散逸時間はへびつかい座と似ている傾向が見られる一方で、温度に不正確であることが原因と見られる年齢の不定性が明らかになっており、より詳細な解析を実施する必要がある。

現在までの達成度 (区分)
現在までの達成度 (区分)

3: やや遅れている

理由

観測データの取得や研究会の発表などに遅れが生じているため、進行が遅れている。

今後の研究の推進方策

取得済みであるおおかみ座分子雲のデータをより詳細に解析し、温度の再決定を高分散分光データから実施しつつ年齢に関する議論をより深め、普遍的な星・惑星の形成過程の理解に寄与する。

次年度使用額が生じた理由

新型コロナウイルスの流行により、学会および研究会への参加が困難となり、旅費を計画通り執行することができなかった。2023年度は、研究会等の参加費及び論文投稿に経費を使用する。

  • 研究成果

    (1件)

すべて 2023

すべて 学会発表 (1件)

  • [学会発表] Lupus 領域の前主系列星に付随する原始惑星系円盤の進化時間2023

    • 著者名/発表者名
      高木悠平、伊藤洋一、大朝由美子
    • 学会等名
      日本天文学会2023年春季年会

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公開日: 2023-12-25  

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