エアロゾル個数濃度の増減は、太陽光散乱の程度を左右するなど、地球気候に大きな影響を及ぼす。気体分子からエアロゾルが生成される新粒子生成反応は、エアロゾル個数濃度を増やす最も重要な経路である。近年この反応を促進する物質としてアミンが注目されているが、大気中アミンに関する観測例は少なく、その濃度レベルや発生源の理解は乏しい。本研究において、森林土壌からアミンが発生しエアロゾルの生成や成長を促していることが示唆された。このことは、地球陸地面積のおよそ3割を占める森林から発生するアミンが、地球大気のエアロゾル個数濃度のバックグランド値を決定し、地球の気候とその変動に影響を及ぼしている可能性を示唆する。
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