研究成果の学術的意義は、火星大気の複雑な現象を高分解能大気モデルと観測データを組み合わせて解明することにある。特に全球規模のダストストームが与える細かな波動等への様々な影響、水蒸気の挙動など、従来の観測・モデル研究から明らかにされていない気象の謎に迫り、将来火星探査で行うべき観測を提案していくことを目指す。さらには火星の気象予報の実現に向けての根幹となるダストストームの生成・発展過程の理解に関しての新たな知見を得ることにつなげる。社会的にも将来の有人火星探査において重要かつ実用的な火星天気予報システム、及びエネルギー源確保や生命維持に必要な水資源探査に協力する体制を構築する足がかりとなる。
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