研究課題
2019年11月にAlaska大学構内に設置した観測装置を用いて2020年春期にデータを確保する予定であったが,コロナウイルス感染拡大の影響で渡米できず,2020年の夏季から秋期にも渡米できなかったため,追加のデータ取得もできなかった。現地で別枠研究としてタワー観測を実施中の研究者やその現地協力者により,観測サイトのタワーで微気象データが測定,回収されており,そのデータを共同利用させてもらい,植生の情況を把握している。本研究課題の主要テーマである根圏凍結時の光合成測定が測定できていないが,本研究と同じ観測サイトでチャンバにより測定したメタン収支に関するデータを入手して,解析を行った。本データセットには,メタンと同時に観測されているCO2 濃度のデータが含まれているので,根圏環境が凍結している時期と凍結していない時期に区分してCO2濃度を比較して,根圏凍結の影響や地上部との関連を検討した。メタン収支に関する検討結果は年内に論文発表の予定であり,別途,極域で得られた微気象データを詳細に再検討し,極夜における昇華プロセスに関する報文を取りまとめた。
4: 遅れている
2020年2月以降に感染拡大している新型コロナウイルスの影響で,2020年の春期,夏季から秋期にもAlaska大学構内のクロトウヒ林での研究を実施できなかった。同じ観測サイトで別枠研究を実施中の研究者と現地協力者により,タワー観測の微気象データは確保されており,植生状況は把握できているが,本研究課題の主要テーマである根圏凍結時の光合成測定が測定できていないので,2021年秋期から2022年4月にかけて,再挑戦する予定である。丸1年間,現地観測研究が停止した状態なので,年度末には研究期間の延長申請をして,初期の成果を得る計画である。
コロナ感染の拡大状況により渡米の可能性や現地滞在の時期が変わるので,情況を見ながら観測再開の準備を進める。2019年11月に設置した測定装置は2シーズンの厳寒気候下に放置されたままだったので使えなくなっている可能性が高い。2021年10月上旬を目処に国内で測定装置の再構築をはかり,10月中旬に渡米して観測再開の設定をする。2022年3月に当初予定の観測を実施するが,すでに2シーズンを無駄に過ごしているので,年度末には研究の期間延長を申請して,2022年度末には初期の成果を得たい。
新型コロナウイルス感染拡大のため,研究対象地であるAlaska大学への渡航が不可能となり,現地滞在研究を実施できなかったため,次年度繰越となった。2021年度は,国内で観測装置を再構築し,9月から10月に渡航できた場合には,装置を設置すると共に,翌2022年3月に現地に於いて観測データを取得する。
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すべて 雑誌論文 (3件) (うち国際共著 1件、 査読あり 3件、 オープンアクセス 2件) 学会発表 (2件)
Journal of Agricultural Meteorology
巻: 3 ページ: 190-199
Polar Science
巻: 27 ページ: -
10.1016/j.polar.2020.100607
Journal of Geophysical Research Atmospheres
巻: 125 ページ: -
10.1029/2020JD032968