• 研究課題をさがす
  • 研究者をさがす
  • KAKENの使い方
  1. 課題ページに戻る

2020 年度 実施状況報告書

根圏凍結条件下のクロトウヒの光合成が年間のCO2収支に及ぼす影響の解明

研究課題

研究課題/領域番号 19K03998
研究機関大阪府立大学

研究代表者

原薗 芳信  大阪府立大学, 生命環境科学研究科, 客員研究員 (90137240)

研究期間 (年度) 2019-04-01 – 2022-03-31
キーワードクロトウヒ / 根圏凍結 / 光合成 / CO2収支 / 凍土植生
研究実績の概要

2019年11月にAlaska大学構内に設置した観測装置を用いて2020年春期にデータを確保する予定であったが,コロナウイルス感染拡大の影響で渡米できず,2020年の夏季から秋期にも渡米できなかったため,追加のデータ取得もできなかった。現地で別枠研究としてタワー観測を実施中の研究者やその現地協力者により,観測サイトのタワーで微気象データが測定,回収されており,そのデータを共同利用させてもらい,植生の情況を把握している。
本研究課題の主要テーマである根圏凍結時の光合成測定が測定できていないが,本研究と同じ観測サイトでチャンバにより測定したメタン収支に関するデータを入手して,解析を行った。本データセットには,メタンと同時に観測されているCO2 濃度のデータが含まれているので,根圏環境が凍結している時期と凍結していない時期に区分してCO2濃度を比較して,根圏凍結の影響や地上部との関連を検討した。
メタン収支に関する検討結果は年内に論文発表の予定であり,別途,極域で得られた微気象データを詳細に再検討し,極夜における昇華プロセスに関する報文を取りまとめた。

現在までの達成度 (区分)
現在までの達成度 (区分)

4: 遅れている

理由

2020年2月以降に感染拡大している新型コロナウイルスの影響で,2020年の春期,夏季から秋期にもAlaska大学構内のクロトウヒ林での研究を実施できなかった。同じ観測サイトで別枠研究を実施中の研究者と現地協力者により,タワー観測の微気象データは確保されており,植生状況は把握できているが,本研究課題の主要テーマである根圏凍結時の光合成測定が測定できていないので,2021年秋期から2022年4月にかけて,再挑戦する予定である。
丸1年間,現地観測研究が停止した状態なので,年度末には研究期間の延長申請をして,初期の成果を得る計画である。

今後の研究の推進方策

コロナ感染の拡大状況により渡米の可能性や現地滞在の時期が変わるので,情況を見ながら観測再開の準備を進める。2019年11月に設置した測定装置は2シーズンの厳寒気候下に放置されたままだったので使えなくなっている可能性が高い。2021年10月上旬を目処に国内で測定装置の再構築をはかり,10月中旬に渡米して観測再開の設定をする。
2022年3月に当初予定の観測を実施するが,すでに2シーズンを無駄に過ごしているので,年度末には研究の期間延長を申請して,2022年度末には初期の成果を得たい。

次年度使用額が生じた理由

新型コロナウイルス感染拡大のため,研究対象地であるAlaska大学への渡航が不可能となり,現地滞在研究を実施できなかったため,次年度繰越となった。
2021年度は,国内で観測装置を再構築し,9月から10月に渡航できた場合には,装置を設置すると共に,翌2022年3月に現地に於いて観測データを取得する。

  • 研究成果

    (5件)

すべて 2021 2020

すべて 雑誌論文 (3件) (うち国際共著 1件、 査読あり 3件、 オープンアクセス 2件) 学会発表 (2件)

  • [雑誌論文] Spring onsets of a young forest in interior Alaska determined based on time-lapse camera and eddy covariance measurements.2021

    • 著者名/発表者名
      Kawashima, S., Ueyama, M., Okamura, M., Harazono, Y., Iwata, H., Kobayashi, H.
    • 雑誌名

      Journal of Agricultural Meteorology

      巻: 3 ページ: 190-199

    • 査読あり
  • [雑誌論文] Lessons learned from more than a decade of greenhouse gas flux measurements at boreal forests in eastern Siberia and interior Alaska.2021

    • 著者名/発表者名
      Hiyama, T., Ueyama, M., Kotani, A., Iwata, H., Nakai, T., Okamura, M., Ohta, T., Harazono, Y., Petrov, R. E., Maximov, T. C.
    • 雑誌名

      Polar Science

      巻: 27 ページ: -

    • DOI

      10.1016/j.polar.2020.100607

    • 査読あり / オープンアクセス / 国際共著
  • [雑誌論文] Cooling and moistening of the planetary boundary layer in interior Alaska due to a postfire change in surface energy exchange.2020

    • 著者名/発表者名
      Ueyama, M., Yamamori, T., Iwata, H., Harazono, Y.
    • 雑誌名

      Journal of Geophysical Research Atmospheres

      巻: 125 ページ: -

    • DOI

      10.1029/2020JD032968

    • 査読あり / オープンアクセス
  • [学会発表] 永久凍土上のクロトウヒ湿地林からのメタン放出の10年変動2021

    • 著者名/発表者名
      岩田拓記・植山雅仁・原薗芳信・永野博彦
    • 学会等名
      日本農業気象学会全国大会
  • [学会発表] 内陸アラスカの植生の春のフェノロジーの評価2021

    • 著者名/発表者名
      川嶋しほり・植山雅仁・原薗芳信・岩田拓記・小林秀樹
    • 学会等名
      日本農業気象学会全国大会

URL: 

公開日: 2021-12-27  

サービス概要 検索マニュアル よくある質問 お知らせ 利用規程 科研費による研究の帰属

Powered by NII kakenhi