研究課題
本研究で得られた主要な結果を以下に示す。1. 太古代地質体バーバートン地域のマグマ生成プロセス:南アフリカ、バーバートン花崗岩類-緑色岩地域の花崗岩類(TTG)のマグマ形成過程、およびそのテクトニクスを明らかにするためレーザーアブレーション誘導結合プラズマ質量分析 (LA-ICP-MS)を主軸に、Badplaas pluton、Inyoni shear zone、Batavia plutonに産する TTGの岩石記載、およびそこから分離したジルコンとアパタイトの微量元素測定と同位体比測定を行った。その結果、バーバートン地域のTTGマグマ作用において、海洋台地の沈み込みと流体による融解プロセスが主要な役割を果たしたことが示された。 バーバートン花崗岩類-緑色岩帯はプレートテクトニクスのような側方運動によるテクトニクスによって形成された可能性があることが分かった。2. アパタイトの年代測定:アパタイトU-Pb年代測定の汎用性を拡張するため、歯化石アパタイトについて、LA-ICP-MSを用いたU-Pb同位体と微量元素分析を行った。その結果、Yスクリーニング法を基に測定箇所を選定することで意味のある年代値が得られることが分かった。このことから、Yスクリーニング法と組み合わせたアパタイトU-Pb年代測定は、歯化石にも適用できることが示された。3.ジルコンのCL特性変化:ジルコンの変成作用に対するカソードルミネッセンス(CL)特性変化を知るため、ジルコンのカラーCL やスペクトル解析を行った。その結果、変成圧力の増加は、温度の増加に起因する変成ジルコンのCL発光強度の増加を減少させることが示された。変成中のジルコンの発光強度に対する圧力効果は温度効果よりも大きい可能性があることが分かった。
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Island Arc
巻: accepted ページ: -
10.1111/IAR.12488
Journal of Hard Tissue Biology
巻: 32 ページ: 127-132
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