本研究で取り組んだ研究課題は、地球史におけるプレートテクトニクスの開始時期特定や、現在の地球では生成しないTTG花崗岩の成因解明など、岩石記録が少ない地質時代の未解決問題と密接な関わりがある。本研究の学術的意義は、そういった未解決問題の糸口を掴むために太古代岩石の微小・微量鉱物に注目し、測定機器を駆使して、当時の造構運動の痕跡を読み取ったことと言える。また、社会的意義の面では、本研究は経済的な実利性はないが、教育現場や教養のための新しい「知」としての役割を持っているため、この新しい「知」とともにまだ「未解決」な部分を合わせて説明することで、学校教育が掲げる「探究的な学び」につながると考える。
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