| 研究課題/領域番号 |
19K04047
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| 研究機関 | 国立研究開発法人産業技術総合研究所 |
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研究代表者 |
高橋 美紀 国立研究開発法人産業技術総合研究所, 地質調査総合センター, 研究グループ長 (40470033)
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| 研究分担者 |
上原 真一 東邦大学, 理学部, 教授 (20378813)
渡邊 了 富山大学, 学術研究部都市デザイン学系, 教授 (30262497)
北村 真奈美 国立研究開発法人産業技術総合研究所, 地質調査総合センター, 研究員 (40795960)
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| 研究期間 (年度) |
2019-04-01 – 2022-03-31
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| キーワード | 亀裂連結性 / 弾性波速度 / 電気伝導度 |
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| 研究実績の概要 |
今年度は稲田花崗岩試料について、加熱・急冷により人工的に亀裂を入れる前後で撮影したマイクロフォーカスX線CT画像を用い、亀裂の連結性と弾性波速度との関係を議論するため、CT画像から亀裂のみ抽出する手順を確立させた。抽出後、亀裂1本当たりに交わるほかの亀裂の数から導き出される亀裂連結の確率pを求め、弾性波速度と比較すると、ｐ＝0.14以上で弾性波速度の急低下が見られ、この値がpercolation thresholdと考えられる。
また、低周波までの広帯域の弾性波透過特性の評価を実施するための準備として，ピエゾアクチュエータのパイロット試験を行なった．既設の載荷フレームと電源供給システム（アンプ）を用いて，ピエゾアクチュエータを用いて模擬試料（アルミニウムの円柱）に10から50 Hz程度の振動を加える実験をすることで，アンプの性能やノイズ特性，システムの剛性などを検討した．
更に、今年度は加熱・急冷により人工的に亀裂を入れた大島花崗岩試料およびインタクトの大島花崗岩試料を用い、180MPaまでの高圧における弾性波速度・電気伝導度の同時測定を実施した。亀裂のある試料とインタクトの試料とも、高圧ほど弾性波速度の増加と電気伝導度の低下がみられ、高圧ほど亀裂の閉鎖が進むことを示唆するものの、弾性波速度は高圧下では亀裂のある試料とインタクトの試料の間の値の差が小さくなるのに対し、電気伝導度は亀裂のある試料とインタクトの試料の間の約1.5桁の差は保たれたまま低下する傾向を示した。加熱・急冷により生成された亀裂は高圧下でも完全には閉鎖できず、多くのクラック量が残ることがわかった。また、弾性波速度・電気伝導度の両物性の封圧に対する変化から、クラックのアスペクト比および孔隙率に関する議論も得ることができた。
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| 現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
3: やや遅れている
理由
購入を検討していた高出力ピエゾアンプの仕様の決定を慎重に検討しなければならなかったこと、新型コロナウイルス感染症の流行により、実験の立会いや追加のＣＴ撮影のための出張を控えざるを得ず、やや遅れがある。
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| 今後の研究の推進方策 |
R3年度は、稲田花崗岩試料の亀裂連結性についてCT画像から得られる亀裂の特性と、弾性波速度・電気伝導度との比較を行う。大島花崗岩試料については高圧実験で得られた試料を小さく切り出して再度高解像度のCT撮影を行うことと、薄片を作成してSEM観察とその画像からの亀裂の抽出を実施し、高圧実験で得られた弾性波速度と電気伝導度と比較する。また、低周波までの広帯域の弾性波透過特性の評価を実施するため、今後は，検討の結果購入するアンプおよびノイズカットトランスを用いてさらに試験を繰り返し，計測システムを構築する．そして，亀裂性岩石試料の弾性波等価特性の周波数依存性について調べる．
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| 次年度使用額が生じた理由 |
新型コロナウイルス感染症の流行により、実験の立会いや追加のＣＴ撮影のための出張を控えざるを得なかったこと、高出力ピエゾアンプの仕様の決定に慎重な検討が必要だったこと、ならびに成果発表を予定していた地質学会名古屋大会の中止により、出張旅費を繰り越すこととなった。高出力ピエゾアンプについては使用が固まったので、早急に購入の予定である。今年度も引き続き新型コロナウイルス感染症の流行により出張の予定を立てにくいことにより、おもに使用計画を薄片作成費と追加の実験試料の成型費にあてたい。
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