研究課題/領域番号 |
19K04048
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研究機関 | 国立研究開発法人海洋研究開発機構 |
研究代表者 |
松井 洋平 国立研究開発法人海洋研究開発機構, 地球環境部門(海洋生物環境影響研究センター), 准研究副主任 (90756199)
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研究分担者 |
藤崎 渉 筑波大学, 生命環境系, 助教 (80815192)
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研究期間 (年度) |
2019-04-01 – 2024-03-31
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キーワード | 硫黄 / コバルト / 二酸化硫黄 / 三酸化硫黄 / 銅 / バナジウム |
研究実績の概要 |
反応炉内での熱分布と反応再現性を詳細に調べるために、脱硫管を配置した電気炉の設定温度を400℃~800℃まで段階的に昇温し、反応性の良い極細の熱電対を用いて反応管内部の温度計測を2cm刻みで実施しました。設定温度は炉の両端から約5cm程度において達成され、反応炉①では、炉内の中央付近では設定温度よりも約100℃高温になり、その温度分布は弓なりの形状となることが分かりました。また、反応炉②では、炉内の中央付近での実測温度が、設定温度よりも約10℃高温になり、その温度分布は中央付近が平坦な台形の形状であることがわかりました。メーカー推奨のコバルト試薬の至適温度は約550℃なので、炉の中央付近で至適温度に達するように炉の設定温度を調整し脱硫実験を行ったところ、脱硫能力が十分に発揮されないことが分かりました。また、それぞれの炉によって温度の読み値と実温度が異なることから、散発的な炉内の実温度計測による温度の確認が重要であることがわかりました。反応炉内の試薬の分布と実温度の再検討を行い、また文献調査により、脱硫能力はメーカーの推奨温度よりも高く設定した方が良化することもあると分かってきたので、高温側での実験を準備しています。また高温側での炉内温度設定により、炉内に新たに生まれる中温域と低温域における効率的な分析手法の検討を行い、酸化銅とバナジウムによる低温・中温域での反応系を考案しました。また、開発中の分析法の知見を活かし、実試料(標準試料、岩石試料、および温泉・生物試料)に適用し、CNSデータを取得しました。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
3: やや遅れている
理由
ヘリウムガスの世界的な供給不足のため、元素分析および質量分析がやや遅れています。また、国際情勢のためにドイツ製のPLC・真空ポンプおよび、米国製のバルブの納期が長期になっていることから現在までの進捗状況がやや遅れています。調査の結果、ヘリウムの供給不足の多少の解消、および使用可能な代替の製品を手に入れる目処が立ったため、実験の再開が可能と判断します。
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今後の研究の推進方策 |
高温分析での脱硫効率の検討するために、複数温度設定での負荷試験を行います。また、同時に高温状態での試薬の劣化や、分析上の不具合の検証も行う予定です。負荷試験によって確かめた最適温度条件と炉内試薬配置において再現性実験を行い、標準試料での検証の後に天然試料への分析手法の応用を行い、本課題のまとめを行う予定です。
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次年度使用額が生じた理由 |
ヘリウムガスの世界的な供給不足のため、元素分析計および質量分析計に使用するためのガスが手に入らなかったため使用額に差が生じました。供給危機は解消気味であるため、2023年度の分析の支障の可能性は低いと判断します。また、国際情勢のためにドイツ製のPLC・真空ポンプおよび、米国製のバルブの納期が長期になっていることから現在までの進捗状況がやや遅れている。PLCは納期が遅れましたが手に入り、真空ポンプおよびバルブの納期には目処がたったので、実験の再開が可能と判断します。
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