研究課題
カムイサウルスの研究によって、カムイサウルスの祖先系の恐竜が北米とアジアに広く広がっていたことが明らかになったことから、最終年度は他の日本のハドロサウルス科も北米と深い関係にあるかというテーマで研究を行なった。兵庫県洲本市から発見されていたカムイサウルスと同じ時代に生息していたハドロサウルス科の研究を行った。私たちの研究によって、この恐竜が新属新種であることを突き止め、論文を出版し、「ヤマトサウルス・イザナギイ」と命名した。この研究では、ヤマトサウルスがアジア東端固有の種であり、本来2000万年前に絶滅していたはずのレフュジアであることを解明した。白亜紀末の日本には、北米と関係の深いカムイサウルス、そして日本由来のヤマトサウルスが棲んでいたこととなる。北のカムイサウルスと南のヤマトサウルスが共存していたか、または南北で棲み分けをしていたかは不明だが、それだけ当時の日本は多様な恐竜が棲める環境だったことを示唆した。これまでの研究によって、ハドロサウルス科の起源と初期進化において、食に関する顎や歯の進化が重要であるということがわかっている。私たちの研究によって、肩や前足の進化が重要であるということも世界で初めて示した。カムイサウルスの研究は、現在も継続中である。系統解析以外にも、機能形態学や組織学、タフォノミーなど多くの追加研究を行なっており、カムイサウルスの生態や進化の更なる解明を目指している。
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すべて 国際共同研究 (5件) 雑誌論文 (5件) (うち国際共著 5件、 査読あり 5件、 オープンアクセス 5件) 学会発表 (9件) (うち国際学会 5件、 招待講演 1件)
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