本研究の成果は、この期間中に2属の新しい恐竜(カムイサウルス・ジャポニクスおよびヤマトサウルス・イザナギイ)を命名したことである。これらの研究によって、恐竜時代最末期の日本には多様な恐竜が生息していたことを示し、さらに両恐竜が属すハドロサウルス科の起源や進化が明らかになった。ヤマトサウルスの研究によって、ハドロサウルス科の起源は、日本を含むアジア東端地域が重要であるということが判明し、カムイサウルスの研究によってハドロサウルス科は北米の海岸線の環境で多様化したことが示された。世界で化石記録が稀である海成層からの恐竜化石の産出は、日本の特徴であり今後の研究が期待できる。
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