研究課題
コロナ禍の影響で,今年度もベトナムでの調査をほとんど実施する事が出来なかったが,年末~1月初旬にかけて北部ベトナムでデボン系や三畳系などの地質調査を行うことができた.その時に採取した柱状図などの基礎データを用いて,2~3月に開催された地質・古生物学分野の学会で講演を行うことができた.しかし,当初予定していた露頭がすでに擁壁で覆われていたり,風化の影響で露頭観察や化石・岩石試料などの採取ができなかったセクションも多く,化石・岩石試料については,昨年,一昨年と同様にベトナムの研究機関に保管しておいたバックアップ用の試料やベトナム人研究者が採取したものを用いた.具体的な研究成果としては,北部ベトナムハーザン省のドンバン地域にあるSeoHoセクションの上部デボン系で,コノドントやテンタキュリトイドを用いて複数の大量絶滅あるいは絶滅イベント層(ファルシオバリス事変層と上部・下部ケルワッサー事変層)を概ね特定する事ができた.なお,これらのイベント層付近では,海洋無酸素事変を示すと考えられる黒色頁岩層を確認できた他,中部デボン系から保存状態の良い三葉虫などの大型化石を産出する地層を発見することができた.また,研究初年度に下部デボン系と考えられていた層準からシルル系の花粉化石を採取して国際誌などに報告していたが,今年度の調査では同層準や上下の層準から複数の原始的な陸上植物の葉や二枚貝,汽水生のオストラコーダなどの化石を得ることが出来た.
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すべて 国際共同研究 (4件) 雑誌論文 (4件) (うち国際共著 4件、 査読あり 4件) 学会発表 (3件)
Paleontological Research
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