研究課題
基盤研究(C)
鋼の相変態挙動,特にオーステナイト領域における予塑性変形がその後の変態塑性挙動に及ぼす影響について定量的評価を行うために負荷機構を一部変更し,この装置を用いてS45CおよびSCM440鋼の変態塑性挙動を測定した.さらに実験結果をもとに予応力の影響を考慮した相当塑性ひずみ依存型の変態塑性構成式を提案した.上記構成式をもとに有限要素法による簡易的なホットプレス過程のシミュレーションを行い,従来の構成式による結果に比較して変形予測の精度が向上することを示した.
固体力学
予塑性変形を受けた鋼材の多軸応力における変態塑性挙動に関する実験的な知見はこれまで単軸状態で得られるデータとそれを利用した材料モデルを再検討する観点においても重要な役割を果たすものと思われる.さらに得られた材料モデルの基づくシミュレーションにより成形不具合の予測精度が向上し,試行錯誤的なものづくりから試行錯誤レス(トライレス)への移行が促進される.