研究課題/領域番号 |
19K04069
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研究機関 | 信州大学 |
研究代表者 |
亀山 正樹 信州大学, 学術研究院工学系, 准教授 (30302178)
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研究分担者 |
槙原 幹十朗 東北大学, 工学研究科, 教授 (60392817)
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研究期間 (年度) |
2019-04-01 – 2022-03-31
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キーワード | 複合材料 / 高速衝撃 / 衝撃荷重同定 / レーザ・アブレーション / 圧電センサ |
研究実績の概要 |
本研究では、複合材構造に内蔵した圧電センサネットワークによる、異物の秒速200メートル程度までの低速~高速衝突を受ける複合材構造の実時間衝撃荷重同定法を開発し、複合材構造の安全性・信頼性の向上を図ることを目的としており、本研究において提案する、異物の高速衝突を受ける複合材構造の実時間衝撃荷重同定法の有効性について、主に数値シミュレーションに基づく検討を行った。 前年度(令和元年度)に実施した高速衝撃荷重履歴同定シミュレーションにおいて、変換行列を決定する際に作用させる面外方向荷重の加振振動数が同定対象となる面外方向荷重の加振振動数に比べて非常に高い場合に同定精度が低下することが確認された。そこで、本年度(令和2年度)は、当該条件下において、衝撃荷重同定問題の不安定性を緩和する方法について検討を行った。初めに、荷重の導関数に関する制約を導入した衝撃荷重履歴同定方法により荷重作用位置および荷重履歴ともに精度の良い同定が実現できることを数値シミュレーションを通じて明らかにした。また、荷重履歴同定結果から衝撃損傷の有無や損傷程度の同定を行うことを視野に入れた場合に引き続き検討が必要となることを確認した。次に、異なる加振振動数成分を有する複数の衝撃荷重を用いて決定した変換行列を用いることにより衝撃荷重履歴同定結果の不安定性は緩和されるとともに衝撃荷重の最大値の同定精度を向上できることを数値シミュレーションを通じて明らかにした。また、荷重履歴波形の同定精度の向上については引き続き検討が必要となることを確認した。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
本研究では、複合材構造に内蔵した圧電センサネットワークによる、異物の秒速200メートル程度までの低速~高速衝突を受ける複合材構造の実時間衝撃荷重同定法を開発することを目的としている。 令和2年度研究のうち、高速衝撃荷重の実時間同定法の改良については、「5. 研究実績の概要」において述べた通り、低速~中速衝撃荷重の作用位置・荷重履歴同定において生じ得る問題点の改善に向けた検討を実施し、提案する改良方法の有用性の確認やさらなる問題点の抽出がおおむねできている。また、レーザ・アブレーションを用いた加振実験に基づくセンサ応答と高速衝撃荷重を関係づける実験的変換行列の作成、レーザ加振実験に基づいて作成された変換行列を用いた低速~中速衝撃荷重の作用位置・荷重履歴同定実験の実施とデータ整理、および高速衝撃荷重の作用位置・荷重履歴同定に関する予備実験の実施については、段階的な実施を継続して行っている。 以上より、現在までにおおむね順調に進展していると判断できる。
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今後の研究の推進方策 |
本研究において提案する、異物の高速衝突を受ける複合材構造の実時間衝撃荷重同定法の有効性について、インパルスハンマ打撃、および落錘衝撃実験に基づく検討、さらには軽ガス銃を用いた衝撃実験に基づく検討を行う。レーザ・アブレーションを用いた加振実験に基づく、センサ応答と高速衝撃荷重を関係づける実験的変換行列の作成、ならびに低速~高速衝撃荷重の作用位置・荷重履歴同定実験を実施し、提案する同定方法の有効性を詳細に検証する。
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次年度使用額が生じた理由 |
当初計画で見込んだよりも安価に研究を進めてきたため、また、当初計画では令和二年度に国内出張を実施予定であったが令和三年度に実施することとしたため、次年度使用額が生じた。次年度の研究遂行に関連して、衝撃荷重同定の対象となるアルミニウム合金平板試験片、CFRP積層板試験片の購入、圧電セラミック振動子(センサとして使用)、ひずみゲージの購入を行う。また、研究調査・実験実施・学会発表のための国内出張を行う。
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