研究課題/領域番号 |
19K04071
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研究機関 | 静岡大学 |
研究代表者 |
島村 佳伸 静岡大学, 工学部, 教授 (80272673)
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研究分担者 |
藤井 朋之 静岡大学, 工学部, 准教授 (30377840)
細井 厚志 早稲田大学, 理工学術院, 准教授 (60424800)
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研究期間 (年度) |
2019-04-01 – 2022-03-31
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キーワード | 炭素繊維強化プラスチック / 擬似等方性積層板 / 超音波疲労試験 / 超高サイクル |
研究実績の概要 |
本研究は,金属の超高サイクル疲労試験に用いられている超音波疲労試験技術を応用して炭素繊維強化エポキシ積層板の加速疲労試験を実施し,炭素繊維強化エポキシ積層板の超高サイクル域での疲労挙動・疲労特性を解明することを目的とするものである.2019年度~2020年度にて超高サイクル疲労試験を実施し,超高サイクル域での疲労特性を取得するとともに,超高サイクル域におけるメゾスケール,ミリスケールの疲労挙動の観察を実施することを計画している. 本年度は研究実施の初年度であることから,まずは炭素繊維強化プラスチックの擬似等方積層板を対象に,20kHzで共振可能な試験片の設計を実施し,ウォータージエット加工により試験片の切り出しを実施し,試験片が実際に超音波疲労試験機で共振可能なことを確認した.そこで,10^7回疲労強度を下回る応力振幅で疲労試験を実施し,超高サイクル域で試験片が実際に疲労破損することを確認した.このとき,断続発振と圧縮空気による強制冷却を併用し,断続発振時間を調整することで,試験片表面温度が50℃を上回らないことも確認している. 次に,超高サイクル域におけるメゾスケールの疲労挙動のその場観察を目的に,顕微サーモグラフィカメラを導入した.分解能は25μmであり,プライ内の温度分布を十分の測定できる分解能である.ここで,超音波疲労試験は共振型試験であり,繰返し応力が最大となる部分は振動の節となるため,疲労試験中であっても最大応力部の位置は移動しない.これを活かし,最大応力部の微視的温度分布のその場観察が可能かどうか検討したところ,問題なくその場観察可能であることを確認した.
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
当初計画の「①超高サイクル域での疲労特性を取得」については,超音波疲労試験機で超高サイクル域まで疲労試験可能な試験片の準備ができたため,2020年度に十分な時間的余裕をもって疲労試験が実施可能となっており,「②超高サイクル域におけるメゾスケール,ミリスケールの疲労挙動の観察」についても,顕微サーモグラフィカメラの導入がおわり,それを用いた微視的温度分布のその場観察の実施可能性も確認でき,2020年度に十分な時間的余裕をもって観察に取り組むことが可能となっているため.
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今後の研究の推進方策 |
予定通り研究が進捗しているため,2020年度も引き続き,超高サイクル疲労試験を実施し,超高サイクル域での疲労特性を取得するとともに,超高サイクル域におけるメゾスケール,ミリスケールの疲労挙動の観察を実施する.
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